仕事柄百人以上を面接してきたが、満足した人材を採用したことがない。それは、自分に限ったことではなく、マイクロソフトでも同じらしい。面白いのは、ビル・ゲイツ以下のメンバーは面接でパズルを質問して、その返事を聞いて採用を決めるらしい。しかも、それはマイクロソフトに限ったことではなく、多くのIT企業などで採用されているという。すでに10年以上前の本なので、現在も継承されているかは知らない。
いくつかのパズルを紹介すると、
「スポンジケーキがあったとして、いたずらな子供がそこから(任意な)直方体をくりぬいてしまった。1回のナイフカットで残ったケーキを2等分するにはどのようにすればよいか。」
「アメリカには何人のピアノ調律師がいるか。」
というような問題。いずれも論理的な回答が存在する。
問題があるとすると、このようなパズル解決能力と現場の仕事の能力が一致するかということであり、それもまた因果を説明することは難しい。だが、今まで行われてきたような「なぜこの会社に応募したのか」「何を会社にできるのか」というような面接よりはまし、ということではあるらしい。たしかにマイクロソフトのような研究・開発部門であれば、その考えは妥当であるのかもしれない。
自分のいるような業務の現場であるとなると、そこまでの発想力や知恵がいるとも思われない。となると、昔ながらの第一印象あるいは直感を信じるほうがいいのかも知れず、あるいは単純にSPI試験の結果を使うのよいのか。結局のところ、また次回の面接で悩むことになるのだろう。
不思議なことに、自分のいたような中小企業では、面接官が自分の能力以上の新人を部下に採用するということはめったにない。むしろ社長や部長のコネで採用した人たちがリーダーシップや専門技能を発揮できるようになることがおおい。いずれも個人的な経験の範疇。一般化するにはケースが少なすぎるけど、メモ代わりに。
この本を知ったのは、松岡正剛氏のサイト。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0888.html
〈参考エントリー〉
2016/12/22 ウィリアム・パウンドストーン「大秘密」(ハヤカワ文庫) 1983年odd-hatch.hatenablog.jp