odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

法月綸太郎「生首に聞いてみろ」(角川文庫) 緊密で情深い家族や恋人の関係がアナクロになった時代に、家族は解体しているのだよといわれてもねえ。 

 法月綸太郎にひさびさの事件が起きたのは1999年。法月も30代半ばになっている(2004年初出)。

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 高名な彫刻家・川島伊作は長年実作から遠ざかっていたが、ほぼ20年ぶりに新作を出すことになった。娘の江知佳(エチカ)の全身を石膏で型取りして、一体の像にするという。20年前に自身の妻(離婚)で同じ技法で作ったシリーズの最新作になるという。ほぼ完成したとき、伊作はアトリエで突然倒れ、そのまま意識を戻さずに他界した。葬儀その他でてんやわんやしていたあと、アトリエに賊が侵入し、石膏像の頭部を糸鋸で切り取って持ち去ってしまった。それと相前後して、エチカも失踪する。数日後、切り取った頭部が伊作の回顧展を開くことになっている美術館に送り付けられた。どうやらエチカにちょっかいを出していた自称カメラマンが行ったことと思える。だが、犯行当日のころ、カメラマンは台湾に出国していたと同棲の女が証言した。
 彫像やマネキンが盗まれたり、首のない死体がでてくるミステリーは多々ある。一見、脈絡のなさそうな行為が切実な理由を持っているのだが、そこを隠すためにここでは生体の石膏型取りという美術の手法を利用する。すなわちそうして型取りして作った彫像は関係者からするとおのずと誰をモデルにしているかがわかるのであり、それを損壊する行為はモデルへの犯罪予告であったり復讐であったりするわけだ。
 という具合に現在の事件は動機がよくわからない。自称カメラマンが恫喝の電話をかけてきたり、伊作の遺作を管理すると言い出した美術評論家が遺族の意向を無視して勝手放題したりと、情報は錯そう。手口の異様さに対し、なぜそうするのかが見えてこない。
 そこで彫刻家・川島伊作を洗ってみると、娘エチカを巻き込んだ複雑な関係がみえてくる。すなわち、彫刻家の兄・伊作は翻訳家の弟・敦志とは20年来の絶縁状態。そうなったのは伊作が元の妻・律子と離婚した。そうなったのは、妻・律子が妹・結子の結婚相手で歯科医の各務順一と不倫の関係になり、伊作と裕子もそうなってしまったから。互いにパートナーを交換する形で再婚したが、しばらくして結子は自動車をつかった排ガス自殺を遂げる。ああ、ややこしい。
 小説の大半は、名探偵・法月綸太郎が関係者のところにいってお話しを聞くこと。彫刻家に翻訳家、大学生、歯科医院などが関係者で、自称カメラマンとその潜伏先があやしいところ。なので、脅しにあうとか、逆襲に合うとかの危険な場面はない。なにしろ、たいてい刑事が同行するし、本人が名乗ると父親が警視庁のエライさんにつうじているのをみんな知っている。なので、徹底的に打ちのめされ、立ち直るという自己回復の物語はない(それが前作「ふたたび赤い悪夢」よりも印象に残らない理由のひとつ)。というのも、名探偵はうっかりして犯人を取り押さえる機会を二回も失してしまったが、犯行は手の打ちようのないところで行われ、事件の関係者と何かの約束をしているわけではないので、探偵の資格を問い直す機会はなかったからだ。
 解決されるなぞはとても入り組んでいる。とりわけ過去の事件では、それぞれの関係者の思惑がすれ違って、合理的・理性的な判断を行えなかったので、錯綜したものになってしまった。この家族に起きた問題は、ロス・マクドナルドよりも西蓮寺剛@都築道夫の作を思い出した(具体的な作品名はでてこないけど)。強い父がいないので、むしろ女性の欲望に振り回されるというところ(でもそれはマクベスだな)。
 とはいえ、この小説は21世紀には後ろ向きであって、過去の事件が起きた1970年代には、こういう緊密で情深い家族や恋人の関係はすでにアナクロだったから。家族の形式にとらわれることの緩やかになっていて、経済が好調なのもあって、別居や離婚もできないわけではなかった。そのような社会変化が起きていたので、ロスマクのような家族の神話を解体する物語針ラリティを失う。このころから異常性格者による残虐殺人が主題になってくる(ハリス「羊たちの沈黙」とかキングやクーンツらのモダンホラー)。そちらのほうがリアルだった。
 笠井潔は「ふたたび赤い悪夢」の解説で、探偵の行った先の「砂漠」で「内と外の区別のないような交通の網目の空=間」で探偵小説は生き延びることができるかと問いかけているが、本作を読むと、むしろ内と外の区別が厳然としてある共同体や組織、贈与の交通に重きをおかれる閉鎖空間でこそ、探偵小説は生き延びられるのかと思う。すでに1920年代のクイーンの本格探偵小説、1950年代のロス・マクドナルドのハードボイルドを成り立たせる社会が無くなっているとき(江戸川乱歩の新興住宅地や横溝正史の閉鎖的な村が無くなっているとき)、謎解きや犯人あてが成立する場所、空間は、作家がさまざまな条件で制約をつけるパロディやパスティーシュにおいてしかありえないのではないか。そこでは探偵の苦悩は問題にならなくなる。


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法月綸太郎「しらみつぶしの時計」(祥伝社) 小説に関する小説。潜行作品を探すブッキッシュな楽しみと知的蕩尽。

 2008年にでたシリーズキャラクターの出てこない短編集。クライムストーリーに、ファンタジーに、パロディ・パスティーシュにと、趣向の異なる短編が収録。

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使用中 1998.06 ・・・ スタンリー・エリン「決断の時」を使った密室殺人の構想を懸命に説明しているが、編集者はトリックに固執して着想を全く理解しない。いらだったものの腹具合が悪くなり、トイレに駆け込んだ。そこには作家に逆恨みを抱いた女が密室殺人を準備していた。完全犯罪がうまくいかなくなって、3にんがトイレにこもることになる。「決断の時」と同じく生死を決める「賭け」を選択しなければならない。それがおこるのが現代の公衆トイレといういじわる。


ダブル・プレイ 1998.10 ・・・ すでに冷え切っている夫婦がいる。夫がバッティングセンターで憂さを晴らしているとき、見知らぬ男が声をかけた。交換殺人をしませんか。夫は男の提案にのり、しかし主導権を握ろうと画策する。交換殺人テーマをひねくりまわす。

素人芸 1999.09 ・・・ 疲れて帰宅すると妻が高価な腹話術の人形を買っていた。かっとなって、妻を殺してしまう。天井裏に死体を押し込んだところで、警官がやってきた。言いくるめたと思ったら、どこからかうめき声が聞こえる。

盗まれた手紙 2003.05 ・・・ 時代と場所があいまいだが、20世紀初頭(WW1前)のアメリカ。ある将軍の若い妻が恋文を送ったが政敵に奪われてしまった。将軍を失脚しようという陰謀だろう。手紙は鉄の箱に複数の錠前がついたもの。鍵は別に送られるので、政敵がすべてを手に入れることはできない。この謎にレンロットが挑む。ブエノスアイレスのドン・イシドロの名が出てくるからボルヘス=カサーレスの共作のパロディか。文体もそれらしく古めかしくしている。(あとがきを読むと、当たり。発表年の前あたりに翻訳が出たと記憶。)

イン・メモリアム 2007.02 ・・・ 限られた作家だけが入会できる「評議会」。入会の条件は存命中の作家の追悼文を書くこと。新進作家が入会を試みた。

猫の巡礼 2007.06 ・・・ 10歳の猫は富士山麓の聖なる洞窟に巡礼に行く。それを手配する夫婦の飼い主の困惑。

四色問題 2004.11 ・・・ 特撮戦隊ものの撮影で女性隊員が盗撮されていた。犯人は男性隊員の中にいると思われる。罠をはっていたが、逆襲され、腹を刺された。瀕死の女性隊員はそのナイフで、左腕に傷をつける。なんのため。タイトルは男性隊員が赤・黄・黒・緑で、地図の塗分けに使う色であることから。鍵は女性隊員が看護師であるところ(でもその理屈は一般読者にはわからんよ)。戦隊ものの役名がアニメ「機動警察パトレイバー」の隊員たちのもじりであるのが笑える(ちょっとまえの2001年に映画「WXIII」がロードショー)。都筑道夫「退職刑事」のパロディ。元よりも切れが悪いのはねらったのか、もともとなのか。

幽霊をやとった女 2006.冬 ・・・ 俺の名はクォート・ガロン。ニューヨーク、バウアリに巣食うルンペンだ‥という自己紹介は都筑道夫「酔いどれ探偵」に詳しい。なけなしのコートに火をつけたやつがいて、苛ついているクォートに、亭主の様子がおかしいので調べてほしいといってきた。新しいコートをもらえたので、亭主を尾行すると、クォートに気づいた亭主はいきなりピストル自殺してしまった。こういうハードボイルドになると、パスティーシュでもそつがない。

しらみつぶしの時計 2008.03 ・・・ 体内時計を狂わされ、外部とのつながりのない部屋で、1440個(一日の分の数)の時計がある。そこから唯一の現在の時刻を示す時計を5時間以内に選び出せ。論理的(ロジック)に解ける。都筑道夫「やぶにらみの時計」を模したか、きみの二人称で書かれ、章の切れ目は時計の文字盤(ここではデジタル時計)で示される。アイリッシュ「暁の死線」をいただいちゃったアイデアだが、焦燥感を表すのによい仕掛け。あとがきを読むと、当たり。)

トゥ・オブ・アス 1998.06 ・・・ 高校卒業後7年ぶりにであった男女。ぎこちない恋愛が進んでいるが、女が同居している別の女に殺された。女は、男の前に現れて、殺された女であると主張する。ややこしい「トゥ・オブ・アス(私たち二人)」の関係。タイトルは「ふたたび赤い悪夢」の中で映画化された小説から。


 思いついたのは二点。この作者は勉強家でもあってか、小説に関する小説を作っていること。本書中にもでてくるボルヘスもそういう書き手であったので、欠点でも長所でもない。古典ミステリーの愛読家には楽しい。
 もうひとつは、都筑道夫は偉大だったなあということ。こういう一編ごとに趣向の異なる短編集は都筑にいくつもあった。なるほど昭和に書かれた短編集は文体が古く、書かれる風俗も古びてしまったが、小説の仕掛けはもっと多様だったし、なにしろ多作だった。この短編集と同じくらい満足させる短編集はいくつもあるなあ。都筑の作品をトリビュートする作品が多かったので思い出してしまった。


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法月綸太郎「キングを探せ」(講談社文庫) 都筑センセーが書かなかった退職刑事の長編版みたいな交換殺人テーマの長編。

 カラオケ店にイクル君、カネゴン、りさぴょん、夢の島の4人の男が集まる。彼らはそれぞれ殺意を抱いている相手がいるが、そのまま実行しては足がつく。でも、互いに交友関係もないなかで交換殺人をすれば、露見しないはずだ。それもふたりではなく、4人で行えばますます安全になる。そこで、4枚のカードを並べて、交差しないように選択する。それが決まった後、打ち合わせをして、雑踏に紛れる。もう二度と会うことはない。

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 というのがイントロ。このあと、探偵の側の物語が始まる。長年うつ病を患っている女性が絞殺されていた。彼女には保険金が変えられている。受取人の夫は前妻を事故で亡くしているが、さまざまな事情で保険金の全額は下りなかった。しばらくして、夫は銀行で振込に失敗し、銀行員の助けを振り切って自動車事故にあう。もっていたのは贋札。どうやらしばらく前に起きた偏屈な老人の絞殺事件の現場から持ち出されたものらしい。被害者の老人の係累は甥の若者。普段からネットカフェを転々とするなど、金に困っていた。その甥は失踪してしまう。探偵らは、ここでようやく交換殺人の可能性を検討する。容疑者は同じ柄のトランプカードを持っていて、絵柄と被害者のイニシャルを結び付けていると考える。さらに事件がおきて、カードはA(エース)、J(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング)であると推測できた。まだ起きていない事件は、Kを被害者とするもの。しかしそれだけでは、被害者を予測できない。そこで探偵は偽の手紙を送って、揺さぶりをかける。交換殺人のグループはもちろん罠であるとみぬいて、警察にゆさぶりをかけようとする。警察と犯人の知恵比べ。いったいどちらの知恵が勝るか・・・
 作者のことだから、交換殺人ネタをそのまま使ったものではないだろう、冒頭で交換殺人を計画したグループが登場するが、彼らの犯行が露見する倒叙推理小説ではないだろうと気を付けていたが、もちろんすっかりはめられてしまった。章の冒頭で小説の引用がでてきて、そのなかに都筑道夫「紙の罠」がでてくる。なので、都筑センセーのようなしかけをかましているだろうと、眉に唾をつけながら読んだのに、こちらの思惑はすっかり外されてしまった。
 都筑道夫の名を出したように、この事件はリアルでは実現しないたぐいのもので、リアリティを持ちうるのは印刷された活字で読者に配布され、それを読むという行為においてだけ。なので活字には気を付けなければならない。そうすると、「さてみなさん(と探偵はいわないが)」のあとの謎解きを読んで、ページを遡って証拠や伏線を書いたところを確認すると、その通りに書かれている。しかし読者の思惑が外れるのは、作者の綴った活字によって思い込みが生まれているから。そういう仕掛けは都筑センセーの作品に多々あり、引用しなかった別の小説こそがこの小説にはふさわしいのであって、それに気づかない俺はぼんくらだったというわけだ。最後のページを読んだ後、タイトルを見返すと、それすらが仕掛けであることがわかり、愕然とする(いや、にんまりとする。ついでに、リンクのない犯罪を結びつけるのがトランプ・カードであるということでエラリー・クイーン「盤面の敵」(ハヤカワ文庫) を想起する。もちろんこの趣向にもずらしがあるわけ。さらにクリスティの有名作の仕掛けも含まれる。これは明かせないので秘密の日誌に書いておく)。
 今回、探偵はほとんど現場に行かない。関係者と話をすることがない。事件の情報はおやじの警視からの伝聞のみ。探偵と親父の会話シーンはほとんど退職刑事@都築道夫のそれ。都筑センセーの書かなかった退職刑事の長編版といった趣き。知的蕩尽@大岡昇平にふさわしいでき。


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 2011年初出。平成不況でこの国に住む人の資産はどんどん少なくなり、2008年のリーマンショックはそれに追い打ちをかけたのだが、その不況と庶民の金のなさは小説にも反映。交換殺人の理由も世知辛いものばかり。「誰彼」「ふたたび赤い悪夢」の時代(1990年代前半)はまだ金を持っていたし、プロジェクトに金を出す余裕があったのに、と、小説とは関係なくため息をつく。
(参考: 宮部みゆき「小暮写真館」(講談社文庫)伊坂幸太郎「残り全部バケーション」(集英社文庫)川村元気「億男」(文春文庫) 、板倉俊之「蟻地獄」(新潮文庫))