odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

伊藤公雄「ジェンダーの社会学〔新訂〕」(放送大学教材)-2 男性優位社会のジェンダー観は社会のしくみの隅々まで浸透している。転換が必要。

2024/04/16 伊藤公雄「ジェンダーの社会学〔新訂〕」(放送大学教材)-1 「社会的に作られた性別」であるジェンダーの刷り込みは個人の生きにくさになり、差別や貧困などの原因になる。 2008年の続き

 

 個人の問題からシーン別のジェンダーや「女性問題」について。社会のしくみにあるジェンダー問題。

9.労働とジェンダー ・・・ 21世紀の日本は女性の労働参加が先進国でも低い。労働力の不足を補っているのが男性の長時間労働。それは家庭と地域で男性の存在感がなくなりつながりを崩壊させている。ほかに、賃金の男女格差、女性管理職の低さもある。「男性は仕事、女性は家庭と育児」というジェンダー観が社会で強固なことが問題。

10.家族の中のジェンダー ・・・ 核家族は近代産業社会で作られた新しい形態。1.内と外の区分、2.強い情緒の結びつき、3.子供中心、4.性別分業、5.集団性の強調、6.社交の衰退、7.非親族排除が特徴。夫(父)の存在感がなく、母と子の結びつきが強くなり(子供が女性依存になる)、母の負担が大きく、華族が密室化して問題が発見しずらくなり、育児介護が家族負担になる。
(ここを読んで落ち込んでしまうのは、自民党やカルト宗教団体がこの家族観を強化する政策をしていること。家族に育児と介護の負担を押し付け、国家が家族を放置しようとしている。)

11.教育とジェンダー ・・・ 教育はジェンダーの形成に影響しているが、多くの学校では男女の二分法と性別分業が肯定されている。隠れたカリキュラム、ジェンダーラッキングなどで「女性らしさ」が押し付けられる。性教育と非暴力コミュニケーションが不足していることは将来の性暴力やDVに影響している。男の低学力化と女性研究者の不足は教育界の問題。
(目からうろこ。指摘されないとわからなかったのは俺に「男らしさ」が強く植え付けられているからだなあ。自分が学生時代に女子学生がいたことは当たり前で対等と思っていたが、実は男よりも彼女らのほうが努力していたし、社会や(俺のような)男性と戦っていたのだった。)

12.スポーツとジェンダー ・・・ 近代スポーツは男性主導で、男らしさに沿った男を作り出す機能をもっていた。競争・努力・勝利・数量化・記録。21世紀になってスポーツのジェンダー平等が実行されている。それでも能力に対する偏見、設備や待遇や褒賞の格差などの問題がある。                                                                                                    

13.セクシュアリティジェンダー ・・・ セクシュアリティは、性的欲望や性的行為、性的指向性などを含む、性に関わる意識・行動・心理・傾向などの総称。LGBTQなど性的マイノリティーへの差別。

14.国際社会とジェンダー ・・・ ジェンダー政策は国際社会でも必要。とくに開発。これまでの生産性・効率優先では、女性にさまざまな負担が集中し貧困と困難が押し付けられる。公正や福祉のプログラムもうまくいかない。個人の生活権の確保、学習権、身体の自己管理権などがある女性の地位向上が必須。エンパワーメント・プログラムが提案されている。自立、自己決定ができ、差別撤廃のしくみがあり、女性の社会参画ができ、平和を維持する。男性優位社会からの転換が必要。

15.ジェンダー政策のゆくえ ・・・ ジェンダー問題を整理すると、1.女性:差別、貧困、困難、社会参画できない、教育を受けられない、就職差別、妊娠・出産・育児の保護不足、DVなど。2.男性:自立できない、結婚できない、ひとりで解決しようとして孤立する、自己肯定感が低く他人に攻撃的、長時間労働、過労死、リタイア後の邪魔者扱いなど。3.セクシャル・マイノリティ:偏見と差別の被害など。
ジェンダー政策への反対意見は、男性優位社会の偏見に基づいているので、セクハラになることを求めているとか、家族の絆が壊れるとかのいいがかりばかりのようだ。そこは適切に反論していこう。たとえば社会の絆が壊れるには、男性の長時間労働を止めさせて家庭にいる時間を長くするのがよい、など。)

 

 個別では知っている話題がつながりました。ページを繰ることに自分に思い当たることが指摘してあって、恥じ入ったり過去の失敗を思い出したり、現在の問題を正面切って言われているように思ったり。男である俺にとってはストレスフルな読書でした。無意識に加害していたのがわかったので、これからは自分を変えないといけない。参考になる指摘がたくさんあった。
 ただ大学の教科書なので、全く知らない若者に状況やアウトラインを説明するまで(男性優位社会で競争に勝ってきた男子学生が聞いたり読んだりしたら、ショックを受けるだろう。反発するだろう。でも、男のジェンダーに基づく偏見を溶かすために必要な過程なのだ)。個々の問題は深くないので、気になるところは別書で補完しましょう。
 日本の男性優位社会を変えることが必要(個人的には組織のトップは女性のほうがいいよ。60歳以上の男性が決定権を持つ仕組みではいくら先進的な考えの持ち主でも対応は遅れる)。男性優位社会を変えるには、男性が声をあげないといけない。変化を望まないものに対する批判を男性がやろう(間違っても被害者にアドバイスしたり慰めたりすることはしない。そんなのは被害者の周囲にいる人がやればいいのであって、加害者にわーわーいうことが大事なのだ)。
 同時に、男性は家事・育児・介護と積極的に担うことが必要。いいことをいっていても生活で女性に依存していてはいけないよな。体と手を動かせ。

 

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トーマス・ペイン「コモン・センス 他三篇」(岩波文庫) 独立に当たって重要なのは、自分自身の法律を作ること。これに参加した記憶が国家統合の象徴になる。

 前回読んだときは、アダム・スミスアメリカ分離論も、アーレントの「革命について」も深くは知らなかった。再読では彼らの考えを参考にする。前回の感想。

odd-hatch.hatenablog.jp


 イギリスは7年戦争(1754-1763)で疲弊していた。ヨーロッパのほとんどの国が参戦した長期間の戦争は勢力図を変えるのであった。このときイギリスは戦費の調達に苦しみ、植民地であるアメリカに負担させようとした。植民地議会は反対するが、決定権はイギリス議会と国王の決裁にある。当時の通信技術では返事が来るのに数か月、決定が下されるまで数年かかる。その間、税を払わねばならず、幾多の法令が追加でアメリカに送られる、政治が遅滞するうえ、イギリス軍はきわめて横暴であった(植民地の住民を人とみなさなかったのだろう)。

ja.wikipedia.org


 これに反対する動きが大陸に出てきて、次第に強くなる。このとき、トーマス・ペインが書いたパンフレットが世論の形成に大きな影響を及ぼした。f:id:odd_hatch:20190708092830p:plain

コモン・センス 1776.01 ・・・ 前回のサマリーに補足する。王政は現場の情報を知らないから不合理。貴族制(イギリス上院)は世襲なのでバカが権力を持つから不合理。これらの政治体制は人間を王と臣民に差別する。それに宗主国は自国のために自国の敵から守るのであり、植民地のためにではない。祖国・母国という言葉に騙されるな(このころすでに植民者のうちのイギリス出身者は大多数ではない)。このような体制を子々孫々まで認めてはならない。未解決にするのは次の世代の借金になり、子孫を利用することだ。なので、分離独立し貿易をしよう。それは双方の利益になり、平和と友好を実現する。
(この議論は、ほぼ同時期にアダム・スミスが「国富論」で主張したことと一致する。双方が富を増すことは、正義と公正を実現するのだ。)
2021/12/14 堂目卓生「アダム・スミス」(中公新書)-2 2008年
 独立に当たって重要なのは、自分自身の法律を作ることである。具体的には、州議会を作り定期的に選挙で議員を入れ替え、自治州と連邦議会を作り、憲法を制定するのである。この活動が妨げられないように、軍隊は防衛を基本とし、宗教には寛容であり、国際的には中立である。
(この部分は「革命について」でアーレントアメリカ革命で重視したところ。革命で重要なのは旧体制の転覆ではなく、憲法と国の仕組みを国民が作り上げること。さまざまな草の根民主主義組織が討議し代表を選出して、州議会などに派遣してさらに討議する。こういうプロセスを通じて、憲法制定と国の仕組み策定に国民が参加した。その記憶が共有されて、国家統合の象徴になっていく。集落や町単位の自治組織や集会、寄り合いは植民開始時からのアメリカの伝統だ。ペインの総意ではないが、ここで重要性を再確認したのだろう。軍隊、宗教、国際についての提言は、たぶん独立宣言に反映され、このあと1世紀ほどのアメリカの政策の基本になった。)
(植民者は故郷の宗教を継続したので、キリスト教のさまざまな分派がアメリカ国内にあった。なので、アメリカでは国家と宗教は一致することがなかった。憲法を制定する際にも、特定の宗教を国家の宗教にすることはなかった。議員は自分の宗派の様式で専制するし、宗教団体のロビー活動を認めている。これはヨーロッパのやり方と異なるところ。)
2022/03/29 深井智朗「プロテスタンティズム」(中公新書)-2 2017年
保坂俊司「国家と宗教」(光文社新書)-1

厳粛な思い 1775.10.18 ・・・ イギリスがインドで行っている蛮行が知られているので、ペインは同じことをアメリカで行わせないようにするために分離独立を主張する。インディアンと黒人の差別撤廃も主張する(こちらは遅々として進まない)。
<参考エントリー> アメリカ黒人の歴史。
2022/03/22 本田創造「アメリカ黒人の歴史 新版」(岩波新書)-1 1990年
2022/03/19 本田創造「アメリカ黒人の歴史 新版」(岩波新書)-2 1990年
上杉忍「アメリカ黒人の歴史」(中公新書
ジェームス・M・バーグマン「黒人差別とアメリ公民権運動」(集英社新書

対話 1776.06 ・・・ 故モントゴメリー将軍が、弱気になり現状維持(イギリスの特許状をえた植民地待遇)を望む議員に喝をいれる。日和見主義をやめろという。王政に対して、自然権と抵抗権で自立することを主張する。

アメリカの危機 1776.12 ・・・ 激戦状態にあるときに、弱気にならずに独立を勝ち取ろうという檄。
(以上3つの小論文は、2022年2月に始まったロシアに侵攻されているウクライナ市民を思いながら読むと感動的。ゼレンスキー大統領がSNSやビデオメッセージで伝えていることは、トーマス・ペインが言っていることとほとんど同じ。)

 

 以下はネットで見つけたトーマス・ペインの小論。
土地をめぐる公正 1797 ・・・ 入手先は下記のリンクで。翻訳や解説ページですでに要約ができているので、自分が付け加えることはないが、とりあえずやってみよう。

genpaku.org

cruel.hatenablog.com


 土地自体は本来万人のものなので、個人所有するものではない。でも耕作地に改良することで生産性が伸びたから、改良部分だけは所有権が認められる。でも代替わりや貧困などで所有者が変わってしまうと、現在の耕作者の所有権が認められないことがあるし、土地を奪われた人は耕作による利益を受け取れない。そこで、このような不公正を糺すために、国民基金を作り、21歳の成人になったら、毎年定額の金を受け取れるようにする。定年より上の年齢になったら年金とする。このベーシックインカムは投資(金融にではない。設備や公共施設など)に使うことが望ましい。また死亡時の財産の10分の1を基金に拠出するものとする。基金国立銀行が運用し、年金などの原資にする。
 ベーシックインカム制度の最も早い時期の提案ではないかしら。大開拓時代で未開拓の土地がきわめて多数あり、経済成長とインフレがとてもゆっくりと進行する時代であったのがペインの構想の根拠になっただろう。自分はベーシックインカムにはとても慎重な考えを持っていて、ペインの時代ならまだしも、21世紀の資本主義の時代にはうまくいかないのではないかと悲観的。とりわけ懸念されるのは、個人に配布されたベーシックインカムを男が女や子供などから暴力的に奪うこと。弱者の経済的自立が損なわれるし、男は食・酒・性に浪費し、宴会や祭りで蕩尽してしまう。家父長制とホモソーシャルな社会では絶対にこうなる。それを回避する仕組みつくりはたぶんうまくいかない。
 それよりもペインが土地を「社会的共通資本」のように見ているのがよいと思った。たいていの経済学やビジネス本では土地もふつうの商品と扱うものだから。とはいえマルクスは「資本論」などで地代を商品の価格とは別に扱っている。20世紀以降はどうなっているだろう。また農業経済学では土地の扱いがどうなっているかは知りません。勉強不足です。
2013/06/06 宇沢弘文「社会的共通資本」(岩波新書)
(ヨーロッパでは土地は王や貴族が私的所有したり、教会がもっていたり、国の公有地があったり、農地は権力から賦与されたという歴史があった。土地の所有はいろいろ難しい。でもアメリカは誰の所有でもないものを開拓者が自分らで分配した。ペインの考えには土地の所有や共有の違いが反映されているだろう。念のためにペインの時代では、土地を先住民から奪い取ったり安く買い取ったという意識はない。)

 独立期の共和主義がさらなる人口増と移民増によって、20世紀には革新主義に変貌する。以後の流れは以下を参照。
2020/10/12 有賀夏紀「アメリカの20世紀 上」(中公新書) 2002年
2020/10/09 有賀夏紀「アメリカの20世紀 下」(中公新書) 2002年

 

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ギュスターヴ・ル・ボン「群衆心理」(講談社学術文庫) 群衆心理に巻き込まれないことにどう注意するかよりも、やってはいけないことをしっかり覚えることが先。

 この古典をそのまま読むのは危険。なにしろ1895年の著書。今と同じ前提で書かれていると思うと誤りになる。まず、19世紀末の心理学は20世紀後半の実験や観察、アンケートなどを使った実証的なものではなく、哲学の一分野だった。ニーチェがいう「心理学」みたいな所にある本なのだ。なので本書の群衆の心理分析が現実に即して妥当であると鵜呑みにしないほうがいい。当時は反ユダヤ主義、犯罪遺伝説などの偏見や差別意識があった。ここにもそれが反映されている。
 また著者のいう群衆は、路上の示威活動だけではない。路上の集会、団体交渉、組合活動・農民運動まで含み、さらに議会・裁判の陪審員普通選挙、労働者や農民など階級までをふくむ。当時、参政権を持たない人たちの集まり他の活動をすべて群衆とみなすのだ。
 そうすると著者の政治的立ち位置が見えてくる。すなわち、著者は反民主主義で反労働組合で反社会主義であり、国民国家の支配層の一員とみなしている。そのような保守で豊かな人々が、政治に参加する自由を行使する活動を危険視する。今では「群衆心理」は社会心理学の嚆矢とされるが、自分の妄想では為政者層の「群衆」活動抑止のマニュアルとして読まれていたのではないかな。(ル・ボンの思想に近いと思ったのは、一世代下のチェスタトン。)
 このあとWW1などを経て、普通選挙権など政治参加の自由が大幅に広がり、政治の意思決定の場所が貴族や官僚から議会に移った。それが常識になったところで、本書は「社会学」の古典に転化したのだと思う。俺からすると、この群集心理の分析はのちのモッブと全体主義運動の分析の先駆だった。群衆や全体主義運動の分析はこの後飛躍的に展開しているので、本書の記述は粗雑にすぎる。勉強するなら新しいものを使おう。最新知識を持ったうえで、この古典を読まないと見落とすことが多々あると思う。


 さて、本書のサマリーであるが、すごい勢いでページを繰ってしまった俺がやるより、まっとうに読んだ人のものを引用する。
100分de名著 ル・ボン「群衆心理」

www.nhk.or.jp


 なので、以下は俺の思い付きを箇条書きで。
保守主義ディレッタントである著者が思い描く「群衆」は1789年のフランス革命のそれ。以後パリでは20~30年おきに市民の蜂起がおこる。本書出版の1895年には、この四半世紀前のパリ・コミューンの記憶もなまなましい。同時代にはドレフィス事件で反ユダヤ主義に抗議する人々が路上で示威活動をし、労働組合運動が盛んになっていた。ロシアの反皇室の革命運動も耳に聞こえる(パリ市内に亡命革命家が潜伏)。群衆はときに破壊や強奪、時に殺人やテロの犯罪を起こす。帝国主義国民国家が危機にあると思われていた時代だった。無個性で衝動的で偏狭で暗示を受けやすい群衆は抑圧すべきものだった。

・なので、群衆が暴徒化する大きな理由である国家暴力には言及しない。

・また集団の示威行動で政策が変わり、富が再配分されたり、マイノリティの権利が認められたり、名誉が回復されたりすることがあるが、そのような効果を著者は言及しない。上の「100分de名著」のサマリーも群衆活動をネガティブなものとしている。政治的権威の側からはNHKのまとめは好意的にみられるだろう。
 というのは、NHKのサマリーでは、21世紀の「群衆」をネットのデマや差別発言に煽られて、他人や組織を攻撃する事例になぞられているから。この不思議な集まりは、顔を合わせない。でも、一つのイシューで共通行動をとる。それは容易に他者危害に転化する。本書に出てくる群衆活動の事例は政府や企業などに向けられたものだが、21世紀の不思議な集まりは個人やマイノリティに攻撃が向けられる。その行動様式と心理は本書の「群衆心理」分析でかなり説明可能とされている(俺はモッブ分析がないので、不思議な集まりにある自己評価の低さや他人嫌悪などが漏れているので不十分。21世紀の「群衆」が差別扇動やヘイトクライムを起こしていることを指摘しないのも不十分)。
 そのような21世紀の「群衆心理」に同調しない行動が必要とされる。上の「100分de名著」ではわかりやすさの罠にはまるなとか、メディアがしっかりしろとかが提案される。俺がそこに加えるならば

・わかりやすさの罠にはまらないためには、教養を積むことが必要。高校教科書レベルの知識をもとう。普段から正義、公正、共通善、自由、民族、差別について考えよう。このくらいは読もう。
2020/11/05 北山俊哉/真渕勝/久米郁男「はじめて出会う政治学 -- フリー・ライダーを超えて 新版」(有斐閣アルマ)-1 2003年
2020/11/03 北山俊哉/真渕勝/久米郁男「はじめて出会う政治学 -- フリー・ライダーを超えて 新版」(有斐閣アルマ)-2 2003年
2020/11/2 加茂利男/大西仁/石田徹/伊藤恭彦「現代政治学 新版」(有斐閣アルマ)-1 2003年
2020/10/30 加茂利男/大西仁/石田徹/伊藤恭彦「現代政治学 新版」(有斐閣アルマ)-2 2003年
2020/10/29 川崎修/杉田敦編「現代政治理論(新版)」(有斐閣アルマ)-1 2012年
2020/10/29 川崎修/杉田敦編「現代政治理論(新版)」(有斐閣アルマ)-1 2012年
・主張を見極めるリテラシーと同時に、リーダーを見極めるリテラシーももとう。人柄、雰囲気、好感度などでリーダーを判断すると全体主義運動に巻き込まれて、「群衆心理」をもってしまう。

・群衆になることは問題ではない。群衆の示威行動は社会を変えることもある。問題なのは、群衆の活動から悪や不正義を行うこと。よくあるのは民族や人種、性など差別扇動を行ったり、ニセ科学・トンデモ医療などのデマを流したり、他者危害を行ったりすること。

 群衆心理に巻き込まれないためにどう注意するかよりも、個人でも群衆でもやってはいけないことをしっかり覚えることが先だなあ。

 

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ル・ボン『群衆心理』 2022年11月 (NHKテキスト)→ https://amzn.to/3PDbnh8