odd_hatchの読書ノート

エントリーは2800を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2022/10/06

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ロバート・マキャモン「ミステリー・ウォーク 下」(福武書店・創元推理文庫)-1

2019/04/01 ロバート・マキャモン「ミステリー・ウォーク 上」(福武書店・創元推理文庫) 1983年 小説は三部構成。 第1部は高校を卒業するまで。小学校の友人の家で、父が狂気に陥った。一家を惨殺したが、ビリーの友人だけ発見されない。ある日、廃墟の家…

ロバート・マキャモン「ミステリー・ウォーク 下」(福武書店・創元推理文庫)-2

2019/04/01 ロバート・マキャモン「ミステリー・ウォーク 上」(福武書店・創元推理文庫) 1983年2019/03/29 ロバート・マキャモン「ミステリー・ウォーク 下」(福武書店・創元推理文庫)-1 1983年 「シェイプ・チェンジャー」は、太古からある邪悪な「存在…

ロバート・マキャモン「アッシャー家の弔鐘 上」(扶桑社文庫)

ポオ「アッシャー家の崩壊」は、実在するアッシャー一族の秘密に肉薄する驚くべき文書だった! アメリカ中部とおぼしき田舎町アッシャーランドには、アッシャー一族の住む屋敷がたっている。以前はロッジと呼ばれる巨大な、図面もない館があったが、先代が放…

ロバート・マキャモン「アッシャー家の弔鐘 下」(扶桑社文庫)

2019/03/26 ロバート・マキャモン「アッシャー家の弔鐘 上」(扶桑社文庫) 1984年の続き アッシャー家の次男リックスは売れないホラー作家。第3作を書いているが、編集者にもダメだしをだされるさんざんなでき。どうしても目の前にぶら下がる骸骨のイメー…

ロバート・マキャモン他「ハードシェル」(ハヤカワ文庫)

「英米ではホラー・アンソロジーがブームだが、中でも〈ナイトヴィジョン〉シリーズは独自の編纂で知られる。つまり、3人の作家がそれぞれ250枚の中短篇を各巻に書き下ろすことで、一作家一短篇に限られた従来のアンソロジーにつきまとう物たりなさを解消し…

ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-1

最初に個人的な思い出から。この小説を知ったのは、雑誌「ユリイカ」(1989年3月号)でブラム・ストーカー賞に受賞したことを紹介した大瀧啓裕の文章を読んだとき。書かれたあらすじを読んで興奮し、翻訳を待った。でも、いつまでたっても翻訳されない。そ…

ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-2

2019/03/21 ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-1 1987年の続き 小説はおもに3つのグループに焦点を当てる。 シスター・クリープという中年のバッグ・レディ。酒を飲んで車を運転し、事故で子供を亡くした。そのときからニューヨークの場…

ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-3

2019/03/21 ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-1 1987年2019/03/19 ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-2 1987年 の続き 穴からの脱出に成功した後、彼らはそれぞれの道を探すことになる。まずは、水と食料、休憩所。…

ロバート・マキャモン「スワンソング 下」(福武書店)-1

2019/03/21 ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-1 1987年2019/03/19 ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-2 1987年2019/03/18 ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-3 1987年 あれ(上巻の終わり)から…

ロバート・マキャモン「スワンソング 下」(福武書店)-2

2019/03/21 ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-1 1987年2019/03/19 ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-2 1987年2019/03/18 ロバート・マキャモン「スワンソング 上」(福武書店)-3 1987年2019/03/15 ロバート・マキ…

ロバート・マキャモン「スティンガー 上」(扶桑社文庫)

個人的な記憶から。マキャモンとの最初の遭遇になった小説。読み始めると、途中で止めることができなくなって、一気に読み切ってしまった。読み終えた後、同じ作者の本を探しに行き、「ミステリー・ウォーク」を入手。これも読み始めてから止めることができ…

ロバート・マキャモン「スティンガー 下」(扶桑社文庫)

2019/03/12 ロバート・マキャモン「スティンガー 上」(扶桑社文庫) 1988年の続き。 先に来た善良な異星人は、その歌を聴きとれる女児に「憑依」する。驚くべき速度で地球の言語や知識を習得し、女児を介してコミュニケーションをとる。みずからを「ダウフ…

ロバート・マキャモン「ブルーワールド」(文春文庫)-1

マキャモンの短編は少ない。キングが短編集をいくつも書いているのと対照的。まとまっているのはこれと「ハードシェル」。それを除くと、アンソロジーにぽつぽつと載せているくらい。この短編集の邦訳が1994年にでてから、第2短編集はいまだに出ていないのは…

ロバート・マキャモン「ブルーワールド」(文春文庫)-2

こちらでは前半の短編の感想。 中編「ブルーワールド」の感想は、ロバート・マキャモン「ブルーワールド」(文春文庫)-1 で。 スズメバチの夏 ・・・ 都会の家族が田舎に避暑に行く途中、道に迷ってガソリンスタンドに到着する。ガソリンはないという返事。…

ロバート・マキャモン「狼の時 上」(角川文庫)

もしも007が狼男(人狼)だったら。危機に陥った時、変身することができる。人間の数倍の身体能力に反射神経。鋭い牙は骨を砕き、首をひと振りすれば鹿の首をへし折れる。そこまでの能力を持っていれば、スパイはこれまでの数倍の任務を達成できるのではない…

ロバート・マキャモン「狼の時 下」(角川文庫)

2019/03/05 ロバート・マキャモン「狼の時 上」(角川文庫) 1989年の続き。 マイケルはすでにスパイのプロであって、戦闘と情報収集の優れたプロであるのであって、今回の1944年2月から6月までの活躍(ロンドン-パリ-ベルリン-バルト海-英仏海峡と西ヨーロ…

ロバート・マキャモン「マイン 上」(文芸春秋社)

このエンタメ小説(1990年)の背景をしるには、オリバー・ストーン監督の「プラトーン」1986年と「ウォール街」1987年を見ておくとよい。主人公二人は1960-70年代に青春時代をすごし、そのあと1980年代のアメリカの製造業不況と金融好況のただなかにいるから…