odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2017-02-08から1日間の記事一覧

大江健三郎「青年の汚名」(文春文庫) 不漁にあえぐ北海道の漁村。村の権力者と青年会と聖なる力を一身に集めた若者の確執、奪権闘争。

著者の小説の舞台は都会か四国の山の村がほとんどだが、めずらしくソ連領に近い北海道の島(ほかにあるのは「幸福な若いギリアク人」くらいか)。この島も荒海に囲まれて、周囲とは隔絶状態にあるというのは同じだし、古い因習と長老による集団統治、村の中…