2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧
ギリシャ悲劇と民主政に関する本をまとめて読んだ。「ソクラテスの弁明」も当然読んでいる。ソクラテスを探偵にしたエンタメを見つけた。 これはプラトンの「クリトン」のタイトル役(ソクラテスの親友)をワトソン役にして、ソクラテスが関与した事件を語ら…
21世紀に「本格ミステリ作家クラブ」が組織され、講談社文庫でいくつかのアンソロジーが編まれた。そのうちの一冊。自分の趣味にはどんぴしゃなので、でている分を追いかけてみよう。これは2007年にでたもの。初出一覧をみると、各短編が書かれたのは2002年…
珍しい職業の探偵。ここで登場するのは「ホペイロ(ポルトガル語とのこと)」。自分はたまたまTV番組で知っていたが、多くの人にはなじみのない職業だろう。プロサッカーチームで、スパイクのメンテを担当する人だ。練習や試合で激しい運動をするので、スパ…
サマリーを書くのも面倒なので、出版社のものを使用。 成績不振に苦しむスポーツ選手、息子が植物状態になった水難事故から立ち直れない父親、同性愛者への偏見に悩むミュージシャン。彼等の悩みを知る鍼灸師・工藤ナユタの前に、物理現象を予測する力を持つ…
1985年生まれの新人第1作(「処女作」という言葉は使わない)。2017年にでたときSNSで話題になっていたのは知っていた。天邪鬼なので時間がたってから読む。 神紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は、同じ大学に通うもう…
2013年に20代半ばの作家が出した長編第2作。 夏休み真っ直中の8月4日、風ヶ丘高校新聞部の面々は、取材先の丸美水族館で驚愕のシーンを目撃。サメが飼育員の男性に食いついている! 警察の捜査で浮かんだ容疑者は11人、しかもそれぞれに強固なアリバイが。袴…
2013年に単行本がでて、2019年に文庫化。今回は文庫版で読む。まずは版元の紹介文から。 最近、不思議の国に迷い込んだアリスという少女の夢ばかり見る栗栖川亜理(くりすがわあり)。ハンプティ・ダンプティが墜落死する夢を見たある日、亜理の通う…
これはある本に関するミステリーである、と書いた後に困るのは、その本の名前を挙げることができないから。その本自体を読んだことはなくても、どこかに引用されたり通俗化されたりしているので、なんとなくの見当がつく人はいるだろう。ことにキャラの名前…
2025/03/18 小林泰三「クララ殺し」(創元推理文庫) その名を上げるとネタバレになりかねないという本に関するミステリー。 2016年の続き 前作「クララ殺し」を読んだら、すぐあとに本書「ドロシイ殺し」を発見。本はリンクのある別の本を呼び寄せるのです…
2011/11/07 竹本健治「匣の中の失楽」(講談社文庫)の続き 3度目の読み直し。今回は細部にこだわりたいと思って、リンクのサマリーを参考にしました。節ごとに概要をまとめられています。労多謝。 longfish801.github.io ストーリーを見る前に、キャラを確…
2025/03/14 竹本健治「匣の中の失楽」(講談社文庫)-2 キャラは人形に模されている。では誰が人形遣いになれるのか。 1978年の続き という読み方をしたのが二回目の再読だった前回。ブライアン・オールディス「世界Aの報告書」(サンリオSF文庫)みたいな入…
1980年初出の「ゲーム殺人事件」の第1作。この40年で何度か版元を変えた。河出文庫、角川文庫とでて、途中に3作を一冊に収めた合本がでて、そのあとは創元推理文庫で入手できるらしい。 第七期棋幽戦第二局は、〈碁の鬼〉と称される槇野猛章九段の妙手で一日…
1981年初出の「ゲーム殺人事件」の第2作(という事情を知らないで三部作なのに本書を最初に読んでしまった)。 駿河湾沖を震源とする大規模な地震が発生し、各地に被害をもたらすなか、土砂崩れの中からふたつの屍体が発見された。六本木界隈に蔓延する奇怪…
1981年出版のゲーム三部作完結編。今回読んだのは創元推理文庫でだが、過去には新潮文庫、河出文庫、角川文庫ででたようで、さらに講談社文庫でもでている模様。 洋館で行われたトランプゲームの最高峰コントラクト・ブリッジの最中、女性が鍵のかかった部屋…
すんなり気持ちよく読了させることを許さない作家の(自分にとっては比較的)近作。2012年刊行。さてどのように騙されるだろう。たのしみ。 鬼ごっこ ・・・ 中学生?6人が廃墟に忍び込む。部屋を調べていくうちに、ひとり、またひとりと姿を消していく。残…
俺が黒岩涙香に興味をもったのは高校時代に別冊幻影城で「幽麗塔」を読んだとき。そのあと旺文社文庫、学研M文庫ででるたびに入手した。いまでも国会図書館がスキャンデータをアップしているので、いくつか復刻されていないのを読んでみようかと思っているく…
将棋も囲碁もチェスも麻雀もやらないが、竹本健治のゲーム三部作と「涙香迷宮」を読んだので、将棋が登場する探偵小説のアンソロジーを読む。ときに棋譜がでてくるが、自分にとっては電車の時刻表とおなじくらいに意味を見出せない図形、記号にしかみえない…
2025/02/28 フョードル・ドストエフスキー「貧しき人々」(光文社古典新訳文庫) 47歳の独身男マカールが17歳の少女を援助するのは愛か打算かそれとも 1846年2025/02/27 フョードル・ドストエフスキー「二重人格」(岩波文庫)-1 ゴリャートキン氏は目覚めた…