odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2014-08-13から1日間の記事一覧

石川淳「荒魂」(新潮日本文学33)

まず「佐太」が物語に投げ込まれる。「うまれたときはすなわち殺されたときであった」とされる佐太は、長じても自我とか主体とかには無縁。喋る言葉も少しはもっていたが、両親と村を捨て、町の路地に行き着いた時には、喋る言葉も失う。それは彼が社会と絶…