odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

2022-02-10から1日間の記事一覧

夏目漱石「草枕」(新潮文庫) 絵と詞と書くべきところ日本にはない画と詩に拘泥する。観察と解剖に徹し、自我の価値を身に着けた「余」が「人の世」を窮屈に感じるのは当然

30歳の「余」は画工具をもって旅に出る。雨に降られたので、海の見える山のうえに宿を求める(どこなのかきっと考証されているのだろう。たぶん愛媛松山近辺あたりか、まあどこでもいい)。「余」は非人情を求める。そのとき「余」が考えている人情界は日…