odd_hatchの読書ノート

エントリーは2400を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2020/10/13

歴史・地理

鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-3

2016/03/29 鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-1 2016/03/30 鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-2 の続き。 中世後期になると、都市ができる。この成立過程も重要。都市もいくつかの類型に分かれる。 その前に商人に…

鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-2

2016/03/29 鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-1 の続き。 そういう「発展途上国」だったヨーロッパが変わるのは、9-10世紀に農業革命が起きてから。鉄製農具が使われ(中国に2-3000年遅れ、この国とは数百年遅れ)、家畜にひかせて深耕…

鯖田豊之「世界の歴史09 ヨーロッパ中世」(河出文庫)-1

クラシック音楽と科学史の興味からヨーロッパ中世は気になっていた。とはいえ、読書は散発的だったので、しっかりした通史を読むことにする。著者はこの国の1950-60年代の西洋中世史の泰斗。高校の世界史の教師に著者の本を読めといわれたのに、そのときは重…

村田数之亮/衣笠茂「世界の歴史04 ギリシア」(河出文庫)

ギリシャが世界史に登場するのは、紀元前3000年ころから紀元前200年くらいまで。最初の1000年くらいは記録が少ないので、わからないことだらけ。最盛期は紀元前4-500年ころで、ギリシャ悲劇の黄金時代。ソクラテス、プラトンにアリストテレスの哲学の巨匠は…

岸本通夫/伴康哉/富村伝「世界の歴史02 古代オリエント」(河出文庫)

中学や高校の歴史の授業がつまらなかったせいか、古代史には興味を持たなかった。成人後は、せいぜいウィルヘルム・フルトヴェングラーの祖父やアガサ・クリスティの夫が考古学者であるとか、旧約聖書の時代が重なるとかそれくらい。知識として、ナポレオン…

ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 下」(草思社文庫)-2

2016/03/17 ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫) 2016/03/18 ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫)-2 2016/03/21 ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫)-3 2016/03/22 ジャレド・ダイア…

ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 下」(草思社文庫)-1

2016/03/17 ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫) 2016/03/18 ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫)-2 2016/03/21 ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫)-3 の続き。 第3部ではヒトの集団…

ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫)-3

2016/03/17 ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫) 2016/03/18 ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫)-2 の続き。 社会システムや病原菌に対する免疫、技術などの差異がどこから現れたかを検討する。第2部では、…

ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫)-2

2016/03/17 ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫) の続き。 著者による歴史の形式化によると、ある集団がほかの地域を圧倒し征服できる要因は「鉄・病原菌・銃」のみにあるのではない。さまざまな要因の因果連鎖で、上巻153ページの図…

ジャレド・ダイアモンド「鉄・病原菌・銃 上」(草思社文庫)

科学史を少し読むと、近代の科学技術は西洋でたまたまうまれたものという説明がよく出てくる。14-15世紀の天文学の革命から科学は始まったのだが、革命の前提にはアラビアの知識や道具の伝来などがあり、なるほどあの時期のあの時代に誕生したのは偶然である…

今西錦司「世界の歴史01 人類の誕生」(河出文庫)

1960年代に出版社は叢書や通史などの巨大な書物をつくることが多かった。その象徴が平凡社の百科事典で、販売の成功(百科事典のセールスマンが団地に営業をかけるというくらい。イギリスの成功例を導入したもの。この国では1980年代頭まであった)にあった…

羽仁五郎「都市の論理」(勁草書房)

これも20数年前(2005年当時)に購入し、読みかけて、理解できなくて放置しておいたもの。久方ぶりに取り出して読み出すと、きわめてすらすらと読み進めていけた。西洋の中世から近現代の歴史を少しは学んできたのが理由と思う。 もとは1967年の自主講座(懐…

弓削達「世界の歴史05 ローマ帝国とキリスト教」(河出文庫)

イエスの時代をユダヤの側だけから見るだけではなく、ローマの側からもみるためにこの本を読む。どうやら河出の「世界の歴史」シリーズは歴史学で認められる事実だけではなく、当時の人々が事実と考えていたことも歴史に書いてよいというスタンスらしい。福…

クシシトフ・ポミアン「ヨーロッパとは何か」(平凡社ライブラリ)-3

続いて、フランス革命以後の国民国家(ネーション―ステート)の概説。 ・ネーション(国民)は6個の要因が作用して生まれた結果であるとする。 「1)住民および外国人の眼に国を体現していると見え、聖化されて忠誠な執着の対象になり、共同体のアイデンテ…

クシシトフ・ポミアン「ヨーロッパとは何か」(平凡社ライブラリ)-2

副題は「分裂と統合の1500年」。「ヨーロッパ」という場所は、ローマ帝国以降に生まれたという考え。 ヨーロッパというくくりで1500年の歴史を見るのが斬新なみかた。ヨーロッパをイギリスからポーランドまで、北欧三国からイタリア、スペインまでとみて、そ…

クシシトフ・ポミアン「ヨーロッパとは何か」(平凡社ライブラリ)-1

西洋由来の科学を大学で勉強したり、西洋クラシック音楽を聴いたり、多くの小説を読んでいたりすると、必然的に(自分にとってはという限定付きで)「ヨーロッパ」という場所に興味を持つことになる。とはいうものの、多くの場合はそこに住む人々の集合の差…

宮田光雄「アウシュビッツで考えたこと」(みすず書房)

著者はドイツ政治思想史を専攻するが、一方でキリスト者としての活動も行っている。自分には岩波新書ででた「キリスト教と笑い」が、映画や翻訳のでたエーコ「薔薇の名前」の主題と共鳴していて楽しく(?)読んだ。福音書に書かれたイエスの言行から笑いを見…

上山安敏「世紀末ドイツの若者」(講談社学術文庫)

1890年から1920年までのドイツの学生はどのような生活をしていたのかを俯瞰する資料。内容に触れる前に前史を確認しておかないといけない。もともと「ドイツ」には放浪学生の習慣があった。ようするによい教師を求めて、自由に大学を移動する権利をもってい…

外川継男「ロシアとソ連邦」(講談社学術文庫)

まあ以下のような妄想を書く人もいないだろうから、「トンデモ」認定を受けることを甘受して妄言を記しておこう。すなわち19世紀以降のロシアとこの国の歴史には類似と平衡関係が認められると。 ・19世紀前半において、両国は農業を主産業とする封建国家であ…

村上陽一郎「ペスト大流行」(岩波新書)

エーコ「薔薇の名前」の舞台は北イタリアの修道院。時は1327年。この数年後の1337年に中央アジアあたりから蔓延してきたペストが、南ヨーロッパ(ギリシャとかトルコあたり)に上陸した。約7年間、ヨーロッパ全域で猛威をふるった。当時のヨーロッパの人口は…

スウェン・ヘディン「さまよえる湖」(角川文庫)

砂漠という場所は、なぜかくもわれわれの心を震えださせるのだろうか。そこに住む苦労や苦痛に対して何らの想像力をはたかせることなく、砂漠という場所にあることを夢想し、そこに在ることにあこがれる。 現実の砂漠に住んではいないわれわれにとって、想像…

レオポルド・ランケ「世界史概観」(岩波文庫)

レオポルド・ランケが1854年にバヴァリア国王マクシミリアン2世に行った歴史講義の記録。マクシミリアン2世は1856年に死去。その後を次いだのが狂王ルートヴィッヒ2世。講義の直前の1848年ドレスデン革命にはワーグナーが参加。というわけで、高校2年の…