odd_hatchの読書ノート

エントリーは3000を超えているので、記事一覧よりもカテゴリー「INDEX」をご覧ください。2023/9/21

ウィリアム・シェイクスピア INDEX

2023/12/28 ウィリアム・シェイクスピアを読む前に:エリザベス朝期の劇場について 1595年

2023/12/27 ウィリアム・シェイクスピア「リチャード三世」(新潮文庫) 他人を見下し屈服することが目的で、それだけが行動の原理の主人公は王位についたとたんに次にやることがなくなる。 1594年
2023/12/26 ウィリアム・シェイクスピア「間違いの喜劇」(白水ブックス) 二組の双子の取り違えに、聞き間違いや言い間違いのすれ違い。 1594年
2023/12/25 ウィリアム・シェイクスピア「じゃじゃ馬ならし」(新潮文庫) 暴力で女性を従順にするのは21世紀にはふさわしくないなあ。「空騒ぎ」のほうがよい。 1594年
2023/12/22 ウィリアム・シェイクスピア「ロミオとジュリエット」(新潮文庫) 恋愛の感情を持った時から、恋人同士の主導権は女性がもつ。親や大人が介入しなかったから起きた悲劇。 1595年
2023/12/21 ウィリアム・シェイクスピア「夏の夜の夢」(新潮文庫)-1 夏の夜は、普段目に見えない妖精が姿を現し、普段の人間界の秩序が壊されて、一時だけヒエラルキーが逆転する。 1596年
2023/12/19 ウィリアム・シェイクスピア「夏の夜の夢」(新潮文庫)-2 妖精パックの塗った塗り薬(惚れ薬)で女性たちは感情を激しく表出する。貞節が求められた中世には珍しいキャラ。 1596年
2023/12/18 ウィリアム・シェイクスピア「ヴェニスの商人」(新潮文庫) 女性のほうがずっと頭がよく、正義や徳や慈愛を一身に体現する。 1597年
2023/12/15 ウィリアム・シェイクスピア「ヘンリー四世 第二部」(白水ブックス) 史劇そっちのけで、太って大食漢で大酒のみでほら吹きで吝嗇で女好きで無学の太鼓持ちのファルスタッフを嫌悪しながら愛着する 1598年
2023/12/14 ウィリアム・シェイクスピア「から騒ぎ」(白水ブックス) だれもがどこにでもいるような普通の人々は言葉の達人。地口にしゃれ、頭韻、押韻、意味の取り違えをぽんぽんと口にする。 1599年
2023/12/12 ウィリアム・シェイクスピア「ジュリアス・シーザー」(新潮文庫) 苦悩するブルータスが主人公。主君が暴君になったら、家臣はどうすべきか。リーダーなしの合議ではいきあたりばったり。 1599年
2023/12/11 ウィリアム・シェイクスピア「お気に召すまま」(新潮文庫) 王権の届かない森の中では虐げられたものがリーダーシップをとれる。 1599年
2023/12/08 ウィリアム・シェイクスピア「ハムレット」(新潮文庫) 俺はハムレットに状況を他人よりも深く正しく把握し、事態を個人の力で変えようとする強い意志を感じた 1601年
2023/12/07 ウィリアム・シェイクスピア「尺には尺を」(白水ブックス) 凡庸な官僚が尺度にするのは法だが、暴君は何を尺度にすれば正義になるのでしょう。 1604年
2023/12/05 ウィリアム・シェイクスピア「オセロー」(岩波文庫) 尊大で臆病な男の嫉妬の心理分析。悲劇を止められないのは、男たちが女をコミュニケーションに加えなかかったから。 1604年
2023/12/04 ウィリアム・シェイクスピア「リア王」(新潮文庫) 若い英雄も老いれば分別を失い暗愚になる。グロスター公の嫡子エドマンドは悪の体現者として最高のキャラ。 1605年
2023/12/01 ウィリアム・シェイクスピア「マクベス」(新潮文庫) 運命の操り人形だったマクベスは魔女の予言にうらをかかれ、「女から生まれた人間」ではないマクダフを前にしたとき、一気に主体が覚醒する 1606年
2023/11/30 ウィリアム・シェイクスピア「アントニーとクレオパトラ」(新潮文庫) 四大悲劇のテーマが同時に展開する雄渾無比な一大史劇大作。 1607年
2023/11/28 ウィリアム・シェイクスピア「冬物語」(白水ブックス) 王や貴族らは幸福であるには心の平静を保つことが重要。心が動き回ると暴君になるか、自己にきつい懲罰を課すか。 1610年
2023/11/27 ウィリアム・シェイクスピア「あらし(テンペスト)」(新潮文庫) プロスペローには同情できないが、心理・内的葛藤は近世のものなので気になる 1611年

2023/11/24 小田島雄志「小田島雄志のシェイクスピア遊学」(白水ブックス) 社会の秩序が乱れ、それまでの価値体系が消滅し、善悪のみきわめができなくなった時代に、外と内でカオス状態になっている人間を描いた 1982年
2023/11/23 大場建治「シェイクスピアを観る」(岩波新書) 戯曲なので舞台や映像を観ましょう。結末だけこだわるのではなく過程に注目しましょう。 2001年

 

シェイクスピアは何度でも再読でき、そのたびに発見がある稀有な世界文学。