2016/11/28 エラリー・クイーン「ローマ帽子の謎」(ハヤカワ文庫) 1929年
2016/11/25 エラリー・クイーン「フランス白粉の謎」(ハヤカワ文庫) 1930年
2016/11/24 エラリー・クイーン「オランダ靴の謎」(ハヤカワ文庫) 1931年
2010/12/15 エラリー・クイーン「ギリシャ棺の秘密」(ハヤカワ文庫)
2016/11/23 エラリー・クイーン「ギリシャ棺の謎」(創元推理文庫) 1932年
2010/12/14 エラリー・クイーン「エジプト十字架の謎」(ハヤカワ文庫)
2016/11/22 エラリー・クイーン「エジプト十字架の謎」(創元推理文庫) 1932年
2016/11/21 エラリー・クイーン「Xの悲劇」(創元推理文庫) 1932年
2010/12/13 エラリー・クイーン「Yの悲劇」(新潮社)
2016/11/18 エラリー・クイーン「Yの悲劇」(角川文庫)-1 1932年
2016/11/17 エラリー・クイーン「Yの悲劇」(講談社文庫)-1 1932年
2016/11/16 エラリー・クイーン「Yの悲劇」(講談社文庫)-2 1932年
2016/11/15 エラリー・クイーン「Zの悲劇」(ハヤカワ文庫) 1933年
2016/11/14 エラリー・クイーン「ドルリー・レーン最後の事件」(ハヤカワ文庫) 1933年
2010/12/27 エラリー・クイーン「アメリカ銃の謎」(ハヤカワ文庫)
2016/11/11 エラリー・クイーン「シャム双生児の謎」(創元推理文庫) 1933年
2010/12/22 エラリー・クイーン「チャイナ・オレンジの謎」(ハヤカワ文庫)
2016/11/8 エラリー・クイーン「エラリー・クイーンの冒険」(創元推理文庫) 1934年
2016/11/10 エラリー・クイーン「スペイン岬の秘密」(ハヤカワ文庫) 1935年
2016/11/9 エラリー・クイーン「日本庭園殺人事件」(角川文庫) 1937年
2010/12/23 エラリー・クイーン「途中の家」(ハヤカワ文庫) 1936年
2011/01/05 エラリー・クイーン「悪魔の報酬」(ハヤカワポケットミステリ) 1938年
2015/05/01 エラリー・クイーン「ハートの4」(創元推理文庫) 1938年
2015/04/30 エラリー・クイーン「ドラゴンの歯」(ハヤカワ文庫) 1939年
2010/12/17 エラリー・クイーン「神の灯」(嶋中文庫) 1940年
2010/12/19 エラリー・クイーン「大富豪殺人事件」(ハヤカワポケットミステリ) 1940年
2016/11/07 エラリー・クイーン「エラリー・クイーンの新冒険」(創元推理文庫) 1940年
2015/04/27 エラリー・クイーン「災厄の町」(ハヤカワポケットミステリ)-1 1942年
2015/04/28 エラリー・クイーン「災厄の町」(ハヤカワポケットミステリ)-2 1942年
2015/04/24 エラリー・クイーン「靴に棲む老婆」(創元推理文庫) 1943年
2010/12/16 エラリー・クイーン「フォックス家の殺人」(ハヤカワ文庫) 1945年
2015/04/23 エラリー・クイーン「十日間の不思議」(ハヤカワ文庫) 1948年
2015/04/22 エラリー・クイーン「九尾の猫」(ハヤカワ文庫) 1949年
2010/12/31 エラリー・クイーン「ダブル・ダブル」(ハヤカワポケットミステリ) 1950年
2011/01/06 エラリー・クイーン「悪の起源」(ハヤカワ文庫) 1951年
2011/01/07 エラリー・クイーン「帝王死す」(ハヤカワ文庫) 1952年
2015/04/21 エラリー・クイーン「犯罪カレンダー(1月〜6月)」(ハヤカワポケットミステリ) 1952年
2015/04/20 エラリー・クイーン「犯罪カレンダー(7月〜12月)」(ハヤカワポケットミステリ) 1952年
2010/12/18 エラリー・クイーン「緋文字」(ハヤカワ文庫) 1953年
2010/12/24 エラリー・クイーン「ガラスの村」(ハヤカワ文庫) 1954年
2010/12/26 エラリー・クイーン「クイーン警視自身の事件」(ハヤカワポケットミステリ) 1956年
2015/04/17 エラリー・クイーン「クイーン談話室」(国書刊行会) 1957年
2010/12/29 エラリー・クイーン「最後の一撃」(ハヤカワポケットミステリ) 1958年
2011/01/04 エラリー・クイーン「二百万ドルの死者」(ハヤカワ文庫) 1961年
2010/12/28 エラリー・クイーン「盤面の敵」(ハヤカワ文庫) 1963年
2010/12/25 エラリー・クイーン「第八の日」(ハヤカワ文庫) 1964年
2010/12/20 エラリー・クイーン「クイーンのフルハウス」(ハヤカワポケットミステリ) 1965年
2011/01/02 エラリー・クイーン「三角形の第四辺」(ハヤカワ文庫) 1965年
2010/12/30 エラリー・クイーン「顔」(ハヤカワ文庫) 1967年
2011/01/03 エラリー・クイーン「最後の女」(ハヤカワ文庫) 1970年
2011/01/08 エラリー・クイーン「心地よく秘密めいた場所」(ハヤカワポケットミステリ) 1971年
クイーンは作家生活が長く、執筆方法も変化した。クリスティやカーのように一貫したスタイルで書き続けることがなく、ときに大きく変貌した。作風の変化については、以下のエントリーを参考に。
エラリー・クイーン「Yの悲劇」(講談社文庫)-2 1932年
エラリー・クイーン「災厄の町」(ハヤカワポケットミステリ)-2
例によって、自分の好みを書いておこう。
まずは、「奇蹟の年」1932年の4作は、無条件でよむべし。
「ギリシャ棺の謎」
「エジプト十字架の謎」
「Xの悲劇」
「Yの悲劇」
ふつうはこれに「オランダ靴の謎」を加えるようだが、今回の再読では自分はとらず、
「フランス白粉の謎」
を推薦。弱点や問題がないわけではないが、パズラーとしての探偵小説の最高峰がここにある。
(国名と悲劇のシリーズ全巻は、探偵小説初心者が最初に読破すべき本なので、四の五の言わずに読むべし。というのは1988年までの常識であったが、今は通用しないか。)
若くしてのぼりつめてしまった後、いかに別の山を登るかがクイーンの苦闘の歴史。さまざまな実験や趣向に手を染めた。そのなかで自分は、探偵の存在意義を問うものや民主主義と自由の問題を取り上げた、「探偵小説」からはみ出すテーマを扱った作品が重要だと考える。そうすると、推薦リストに挙げるのは
「シャム双生児の謎」
「ガラスの村」
「フォックス家の殺人」
「九尾の猫」
「第八の日」
となる。個人的には「スペイン岬の謎」「災厄の町」「十日間の不思議」「ダブル・ダブル」「クイーン警部自身の事件」も好きだが、涙を呑んで落とす。
短編はうまいのだけど、パズラーのスタイルを遵守するので、再読に耐えないうえ、小説のふくらみに乏しい。たぶんエラリーという探偵のキャラが弱く、魅力を描き切れていないから(その点、ホームズ、ブラウン神父はうまく書けている。カーの短編は状況の不可解さ不可思議さが抜群なので、キャラが弱くても読めるのだよなあ)。どの短編集を読んでも楽しめるが、読後の印象が薄い。とりあえずは「冒険」。「犯罪カレンダー」もまあよい。あとは好みで。